経蔵とは、たくさんのお経を収納する蔵のことである。
内部のお経を納めた八角形の棚(経棚)がぐるぐる
まわる珍しい形式で、輪蔵とも呼ばれている。
大慈寺十七世の宜隆和尚が、5カ年もかけて、
資金集めの托鉢を行い、
安政5年(1858)8月に上棟式が行われた。
外から見ると、屋根が二層になっているが、
中は一階の建物である。建物の正面の幅は五間、
左右一間ずつには格子入りの化火燈窓、
正面の三間は、唐桟戸と呼ばれる出入り用の
戸がつけられている。
屋根には相輪(宝珠)が乗っている。
建築やお経の購入資金の不足は、
富くじで募集したことが「一切経寄進富講差定」
の記録が建物内部に残されている。
東北地方ではまれにみる立派な「経蔵」である。